人生は挑んで愛するもの、
野心も美しい。
小児病棟の看護師が最初の仕事です。病と闘い命を落とす子どもの前では、私はあまりにも無力だと思い知らされる日々。ある日白血病の女の子のベッド脇に花を飾ると彼女はこぼれるような笑顔になった。ナイチンゲールの言葉「快復に必要なのは環境である」が蘇り、私は病室に楽しさ、美しさをと婦長に提案をしますが、それは看護師の仕事ではないと突き放されました。
「看護師ではできない。独立して実現しよう」。病院を辞め、私の手で病院の環境を変えたいと建築家を目指しました。アメリカ、ヨーロッパ各国を旅し、感動する建築や環境を探し求めて魂が震えたのはイタリア。その光、色、生きることを愛する情熱。人の心を明るくする力に恋をしました。やがてイタリアで学びながら、世界的な建築家パオロ・ナーバ氏に弟子入りを願います、勇気を振り絞って(笑)。
建築だけでなく年を経るほど素敵になるイタリア人の生き方に感銘し、これからの日本もそうなるように素敵な環境をたくさん造ろうと誓いました。帰国後一級建築士を取得し、存分に美しい建物を作る夢にたどり着きます。ゼロからの決意でも、望む映像をありありと描けば実現する。それは命ある限り真実なのですね。
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